遺留分

2017年05月28日(日)

人が亡くなると、財産や債務は「相続」により相続人に引き継がれます。

しかし、遺言書が存在する場合には、相続人以外の人も財産を引き継ぐことができます。

これを「遺贈」といいます。

従って、愛人に全財産を遺贈するという遺言書が作成されていた場合は、愛人が全財産を引き継ぐことになります。

しかし、これでは亡くなった人の妻(配偶者)や子が気の毒です。

そこで、民法では「遺留分の減殺請求」をその愛人に対して行うことにより、財産を取り返せる制度を設けています。

「遺留分」とはその取り返せる割合のことです。

遺留分は、亡くなった人の配偶者・子・親については、例外はありますが、各法定相続分の1/2です。

(亡くなった人の兄弟姉妹には遺留分がありません。)

例えば、亡くなった人に配偶者と3人の子ABCがいた場合、法定相続分と遺留分は以下のとおりとなります。

<法定相続分>

配偶者:1/2

子A:1/6

子B:1/6

子C:1/6

<遺留分>

配偶者:1/4

子A:1/12

子B:1/12

子C:1/12

なお、遺留分減殺請求」の権利は、遺留分が侵害されていることを知った日から1年で時効で消滅します。

それを知らなくても相続開始の日から10年を過ぎると、時効で消滅してしまいますので注意が必要です。

遺言書を作成する場合には、この「遺留分」を意識することが重要です。

遺留分を無視した遺言書を作成したとしても、「財産を引き継がせたい人」と「遺留分を侵害された相続人」との間にトラブルが発生することが目に見えているからです。

信和綜合会計事務所では遺言書の作成に関する相談も受付けております。

ぜひご相談ください!

平成29年5月

原昇平

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