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扶養の誤解

2009年11月16日(月)

税務署から年末調整の書類が送られてくる季節になりました。

この時期になりますと、毎年同じようなことを質問されます。

「パートの妻の収入が月10万円ほどあるので、私の扶養には入れないですよね?」と。

そんなときのやりとりです。

原「何の扶養ですか?」

Sさん「えっ!?」

原「社会保険の話ですか?それとも税金の話ですか?」

Sさん「あぁ、うーん。わかりません。」

となることがよくあります。

両者は混同されやすく、残念ながら、誤解している人が多いように思います。

まず、社会保険の話とは、Sさんの社会保険(健康保険・厚生年金)の被扶養者となれるかということです。

つまり、Sさんの奥様がご自身で国民健康保険や国民年金に加入しなくてもよいかということです。

具体的には、奥様の収入が130万円未満であることが条件となっていますが、これまでの1年間の収入で判定するのではなく、これから1年間の収入の見込で判定することになります。

そして、税金の話とは、Sさんの年末調整(所得税の計算)で、所得から「配偶者控除」や「配偶者特別控除」を控除できるかということです。

こちらは、奥様の給与収入が103万円以下の場合は「配偶者控除」として38万円、103万円を超えて141万円未満の場合は「配偶者特別控除」として段階的に38万円~3万円が所得から控除されます。

ここで誤解していただきたくないのが、配偶者控除38万円というのは税額が38万円減るのではないということです。

あくまでも所得が38万円減るだけであり、それに税率を乗じた金額だけ税金が減るということなのです。

以上を説明した上で、私は以下のようにお答えしています。

「所得税は大した影響はありませんが、社会保険の130万円基準は影響が大きいですよ。」と。

信和綜合会計事務所(大阪市中央区の税理士法人)

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