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改正減価償却制度(Ⅴ)

2007年06月18日(月)

今回は、既存の減価償却資産に対して資本的支出がなされた場合の償却方法について考えたいと思います。

資本的支出とは、既存の資産の改良費のことです。

もう少し厳密な表現をしますと、

・既存資産の使用可能期間を延長させる支出

または

・既存資産の価値・機能を向上させる支出

と言うことができます。

(具体的にどのような支出が資本的支出に該当するかについては、実務上判断が難しい場合もあり、別の機会で説明することにします。)

資本的支出があった場合の償却方法については、既存資産の取得時期により、いくつかの方法が認められています。

しかし、いずれの場合も、既存の減価償却資産とは別個に取得した資産として償却する方法が原則的であり、早期に償却が進むという点で有利な償却方法となっています。

そのため、実務上もこの方法により償却計算がなされるものと想定されます。

ただし、平成10年3月31日までに取得した建物に対して、資本的支出がなされた場合については、注意が必要です。

具体的には、その建物の償却方法が定率法の場合、資本的支出を既存建物の取得価額に加算する方法を選択することにより、実質的に定率法の適用を受けることができるのです。

ちなみに、建物に対する定率法の適用は、現在では認められていませんが(定額法のみ)、平成10年3月31日までに取得したものについては定率法が認められています。

大阪市中央区の信和綜合会計事務所

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