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とある税務調査(実地調査編)

2008年04月21日(月)

3月21日9時30分頃

F社到着。

税務調査は通常10時からなのですが、会社には少し早めに行くことにしています。

ところで、前日の20日の夜は寝つきが悪く、当日の寝覚めも悪かったです。

特にやましい事は何もなく、心配することもないのですが、無意識のうちに気にしているようです。

何度経験しても、税務調査というのは好きにはなれそうもありません。

税理士の私ですら気になるのですから、初めて税務調査を受けられる納税者の方はかなり緊張されているはず。

と思って、F社社長とお話をすると、まったく気にしていないご様子。

私の取り越し苦労でした。

10時過ぎ

税務署の上席調査官が到着。

簡単な挨拶の後、概況聴取に入ります。

具体的には、事業の内容・主要取引先・取引条件・市場の状況などを、世間話をまじえて聞かれます。

これにより、調査会社の収益構造や事業の特殊性を把握し、その後の帳簿等の調査に役立たせるのです。

ちなみに、この概況聴取が巧みな調査官ほど有能だと言われています。

また、新設法人の場合、事業の概況だけでなく、代表者の経歴(前職)や事業を起こすに至った経緯なども尋ねられることがあります。

このほか、作成・保管されている帳簿等の種類や担当者なども聴取されます。

その後、帳簿等の確認に移ります。

具体的な項目については、守秘義務がありますので書くことはできませんが、今回の主な調査ポイントは以下の4点でした。

①売上の期間帰属の確認

当期に売上計上すべきものが来期に回されていないか?

②期末直前の費用の内容確認

期末直前に計上された費用項目は、来期に計上すべきものでないか?

③出張経費の内容確認

複数回の海外出張について、出張旅費・滞在費などの精算は適切に行われているか?

また、消費税の処理は正しくなされているか?

④代表者個人口座の入金内容の確認

代表者の個人口座に会社の売上等として計上すべき入金はないか?

上記の点については、特に問題点の指摘はありませんでした。

問題点を指摘された場合は、納税者側の見解を説明するのですが、今回は特に議論となる問題点はなかったようです。

また、その他の調査項目についても、大きな問題はなく、16時頃に調査は終了しました。

その後、調査官は、「署に帰って上司(統括官)に報告し、結果を後日連絡します。」との言葉を残して帰られました。

全体として、的を射た意見を言われる調査官でした。

税務調査といっても、ネガティブに考えすぎないのが良いのかもしれません。

信和綜合会計事務所(大阪の税理士法人)

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